yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

ISME@モントリオール

カナダのモントリオールで開催された国際微生物生態学会(ISME)に参加してきた。街の中心部にあるカラフルでおしゃれな会議場で開催。 今回はラボからは自分一人の参加だったのだけど、1年ぶりに会った海外の研究者や、現地で会った日本人研究者と一緒に行…

8月びわこ その2

今日は今月二回目の琵琶湖。ここ最近台風や豪雨もなく、ずっと猛暑が続いていたので、あらゆるものが「真夏の琵琶湖の最強版」になっていた。 まず船着き場についてすぐに目についたのがアオコ。水の動きが少ないと発生しやすいと言われているけど、ずっと雨…

水圏微生物研究フォーラム

「水圏微生物研究フォーラム」なる集会に参加するため、関東出張してました。 水域の環境微生物の研究者のための集会で、昨夏に参加した国際学会のSAME (Symposium on Aquatic Microbial Ecology)の国内版という感じ。招待講演のメンバーを見た瞬間に「こん…

8月びわこ その1

今月は2回琵琶湖に行く予定なので、早速1回目を済ませてきた。 穏やかな夏の朝・・・かと思ったけど、やっぱり日が昇ると暑い。9時の時点で気温は29.7℃、水温は28.1℃。透明度は7.9mまで伸びて、「溶存有機炭素(DOC)豊富、栄養塩(N・P)欠乏」の典型的な真…

初稿という既成事実

月例の調査やサンプル処理は進めつつも、最近はデスクワーク中心の毎日。次の論文に載せるデータを作りながら、そのデータを使って来月の国際学会での発表ポスターを作成中。 前回の論文はかなりスピード重視で書いたけど、今回のはあえて焦らずに分析を深め…

7月びわこ

今日は琵琶湖調査の日でした。ちょっと波風があるけど、良い天気。 気温28度でまだマシな暑さ。水温は26度、透明度は6mに増えて、水中も真夏モードに入りつつある。 いつもは深層ばかり採水しているのだけど、今回は別の目的で久しぶりに表層から採水。やっ…

琵琶湖に生息する微生物の図鑑

自分の研究の論文が出版されたので、簡単に紹介。 Vertical partitioning of freshwater bacterioplankton community in a deep mesotrophic lake with a fully oxygenated hypolimnion (Lake Biwa, Japan) - Okazaki - 2016 - Environmental Microbiology R…

RによるNMDSを用いた微生物群集構造解析

今日も解析で苦労したので備忘メモ。 ※今後、自分の理解に合わせて勝手に加筆・修正するかもしれません。 以下のものは「とりあえず動かすところまで」を目標に書いたものです。もし間違いがあった場合はご指摘くださると有難いです。 なお、今回勉強するに…

湖沼の水質の調べ方

今書いている論文で、日本中の湖沼の水質データが必要になって色々調べたのだけど、結構苦労したので方法を備忘にメモ。 まず、データベースなのだけど、おそらく日本国内の水環境を最も網羅的に調査しているのが、環境省の公共用水域水質測定調査だと思う。…

早期取得断念

今所属している、京大理学研究科(生物科学専攻)の博士の学位の最低取得用件は「査読付き国際誌に一報以上掲載」だ。僕はすでにその基準を満たしていて、できれば早く学位をとって、研究費申請や共同研究の自由度を上げたい、と思い、3年未満での早期取得を…

6月びわこ

今日は月例の琵琶湖調査の日。 湖の北端が見渡せるほど済んだ空気。最近ずっと天気に恵まれている気がする・・・ 透明度は5.6m、水温は21.2℃で、深層の温度は約8.2℃。早速顕微鏡で細菌を観察したけど、今年も例年と同じ変化が起こり始めていて、すごくワクワ…

実験とこだわり

予備実験を繰り返して実験条件が決まったあと、本番サンプルを一気に処理して論文になる結果を出しまくるのは研究で気持ちいい瞬間の一つだ。今まさに昨年採り溜めたサンプルの処理が大詰めを迎えていて、ここ1週間で10万以上の細菌を顕微鏡で数えている。カ…

5月びわこ

5月の琵琶湖調査に行ってきました。 先月に引き続いての快晴、船上作業も快適。気温は19.5℃だけど、表面水温は15.9℃で、まだ汲んだ水を触ると冷たいと感じる温度。透明度は5.7mで少し回復して、春の植物プランクトンの大発生もピークを過ぎた感じ。 成層が発…

最先端の人たちと鳥肌を立てあう楽しさ

↑の記事でも一度触れた内容なのだけど、ノーベル賞をとった大村先生の言葉として本の中で取り上げられている以下の言葉がとても好きだ。 レベルの高い人とおつき合いすることが大事である。レベルの高い人たちとつき合っていると、いつしか自分もそのレベル…

違和感の備忘

今日は自分を棚に上げて批判を展開しますよ。僕が会社員からアカデミアに戻ってきて感じるようになったこと、というか冷静に考えれば会社員なぞ経験してなくても分かるはずなんだけど、会社員時代と比べてアカデミアで見かけることが多いと感じる、改善した…

4月びわこ

今日は黄砂の降り注ぐ琵琶湖に行ってきました。 透明度はわずか4.0m、湖の中も春を迎えて植物プランクトン大発生の最盛期。 そして、今年度から導入した新兵器。↓ 船上で大量濾過を実現。使われずに転がっていたパーツの寄せ集めでほとんどお金かけてないの…

切り替えが必要な感じ

最近仕事のペースが落ちているような気がする。労働時間は長いのだけど、目的意識を持って集中できている時間が少なく、ダラダラと過ごしてしまっていて良くない。 原因は大きく二つあるように思う。一つは、仕事量が飽和してしまっていて、「どうせ終わらな…

全生物の系統樹

全生物の系統樹の最新版が出たということで、昨日は微生物研究者界隈で話題になっておりました。僕はこの論文の存在をTwitterでフォローしている海外の研究者が騒いでるのをみて初めて知ったのだけど、人類の知のフロンティアで戦っている研究者たちがリアル…

リスニング能力の強化に使っているYoutubeチャンネル

僕は英語が苦手だ。人並みには努力しているように思うのだけど、自分より早く上達していく人が多いように思われて、どうも自分には語学の才能があまりないのだと思っている。 英語ができないせいで困ったり悔しい思いをする場面はとても多い。今までで一番悔…

研究でお金がもらえるということ

賛否ありそうですが、今日はちょっと強めの主張を。 ポスドク問題つまり、アカデミアでポストが無くてなかなか定職が見つからない、という話は、もう10年くらい議論されている話題であり、そこでよく槍玉に挙げられるのが「受け皿を増やさないまま博士を増や…

微生物の研究の面白さを伝える

研究者にとって自分の研究の魅力を上手く伝えることは死活問題だ。相手が研究者ならともかく、非研究者にその面白さや謎の深さを理解し、共感してもらうのは本当に難しい。僕自身も、親や親戚に「何の研究やってるの?」と聞かれて、一生懸命(目を輝かせて…

刺激が欲しい

努力の上限は想像の上限で決まっており、想像の上限は経験の上限で決まっている。これは僕が高校受験の時からずっと思っていることだ。人は、自分が見たことがあるところまでしか自分を高めることはできない。誰かが先に登っているのを見て初めて、自分が登…

自分だからできる研究とは?

先日本屋に立ち寄ったら、機械学習や人工知能の技術書が山積みになっていた。数年前に比べて、これらの言葉は確実によく耳にするようになったし、つい先日ニュースになっていた、碁でプロがコンピューターに負けた話のように、少し前の人々の想像をはるかに…

研究者の出会い系

京大が主催する「100人論文」なるイベントに行ってみた。概要については以下を参照↓ 速報:嗚呼、この素朴な意見交換の喜びや | 京都大学 学際融合教育研究推進センター Web経由で自分の研究内容ややりたいこと、提供できるリソース等を短い文章で投稿してお…

科学は役に立つべきか

基礎科学に対して「役に立たない」と表現を使う人がいる。科学の外にいる人が批判的な意味を込めて使うのはともかくとして、科学者自身が自分の研究を指してこの表現を使うのはありえないことだと僕は思う。 今世の中を便利にしてくれている、「役に立ってい…

1月びわこ

あけましておめでとうございます。今日は早速琵琶湖に水を採りに行っていました。 暖冬のせいで、表面水温はまだ11℃もあって、まだ成層が続いていた。今年の冬はちゃんと全層循環するのだろうか・・・ 研究のほうは、サンプリング&インプットに力を注いでい…

久々の論文書き

4月から超特急でスタートした実験の結果が12月になってようやく出揃って、3年ぶりに論文を書き始めた。Figはできてるし、会社員時代に鍛えた文章作成テクで1週間ちょいで草稿まで書けるのでは、とか思っていたけど、そんなに甘くなかった。 Materials and Me…

12月びわこ

昨日は月例の琵琶湖調査。気温は15度あったけど、早くも冬の天気の洗礼を受け、強風で調査は途中で中断・・・ ↑比良山が雲を堰き止めている様子が良く分かる。 ↑沖は白波が立ち海のような状況。 透明度は8.5 m、植物プランクトンは、Fragilaria, Stephanodis…

かっこいい研究者

「上までのぼりつめた先輩がカッコいい存在かどうか」というのは、自分が飯を食っていく業界を選択するうえで、くだらないことのように見えて、とても重要な要素だと僕は思っている。研究者が研究者を目指す理由って、単に自然が好きとか好奇心旺盛とかいう…

微生物は世界中を飛び回っているのか?

微生物生態学における大きな未解決問題の一つに、「ある場所の微生物群集を決めるのはそこの環境なのか、歴史なのか?」というのがある。具体的には、 ①あらゆる場所に全種類の微生物が少量ながらも生息していて、その環境に適したものだけが増えることがで…