yokaのblog

湖で微生物の研究してます

2020-01-01から1年間の記事一覧

例外としてこなしてしまった1年

歳をとるごとに冬休みが短くなり、年末に年末感を感じられなくなってきているのだけど、今年は帰省も自粛せざるをえなくなって、例年にまして年末感が無い。せめてこの1年を振り返ってみようと、少し考えてみたけれど、あまり思い出せることがない。特に、家…

違和感がないという違和感

京大に着任してから最初の2週間が経った。つくばから京都へ引っ越して中0日で初出勤で、生活も仕事も何もかもが一気に変わって、脳が適応するのに精いっぱいで、夢の中にいるかのようなフワフワした2週間だった。ようやく仕事環境の整備や、家の片付けも一…

人生のストーリーを追究したいという非合理なこだわり

学部生時代から一貫して湖で研究を続けているのだけど、事あるごとに「海には興味ないの?」と聞かれてきた。確かに湖よりも海のほうが研究人口が多くて議論も盛んだし、就職での選択肢も多い。地球上の大部分を占める海の研究は単純に湖よりも成果のインパ…

申請書書きは嫌いじゃない

科研費シーズンということで来年度の申請書を書いていたのだけど、これまでの申請書類と比較して今回はかなりスムーズに書くことができた。今までは文章を書きながら考えたり文献を探したりということが多かったけど、今回は箇条書き状態でしっかりと煮詰め…

デスクトップPCを導入した

これまで2コア4スレッドCPU、8GB RAMの普通のモバイルPCで全ての作業を完結させていたのだけど、今回新たにデスクトップPCを導入して、解析環境を一新した。 メタゲノム解析をするようになってから、ストレージもCPUもメモリも桁違いに要求されるようになり…

遠くなった琵琶湖

関西に置いてきた培養サンプルが回収できずにずっと研究が止まっていたのだけど、県外への出張が許されるようになったので、4か月半ぶりの出張に行ってきた。行く途中、4か月半行っていない東京がまだ本当にこの世に存在しているのかをこの目で確かめるのが…

自分が変わらなければならないのか?

コロナウイルスの自粛期間に入って約3か月が過ぎた。出張はもちろん、出勤すら満足にできない我慢の日々を過ごしている。思い起こせば、2月末に関西出張に行った頃にはもう日本で感染者が確認され始めていて、マスクをしてドアノブや手すりをできるだけ触ら…

ポスドク3年目の論文の書き方

学位を取って2年が経ち、今月からポスドク3年目に突入した。学生時代にとった論文化できていなかったデータのうち、3本目となる最後のネタの原稿をようやく書き上げた。調子に乗って広げ散らかした風呂敷達を畳むのに結局2年もかかってしまった。これからは…

Rの作図におけるベストな配色の選び方

論文のFigはほぼRで描いているのだけど、複雑なデータをコンパクトに見せるためにカラフルな図を作ることが多い。そこでいつも悩むのが「いかに効率よく配色するか」ということだ。カスタムの配色セットを作ってみたり、カラーパレットのパッケージをあれこ…

96wellの細菌を1時間半で数えてくれる機械

96wellフォーマットでセルカウントができるフローサイトメーターがやってきた。数年前からずっと欲しいと思っていたのだけど、今回、ラボで導入することが決まり、とてもありがたい。 早速、琵琶湖で採ったサンプルを使ってカウントをやってみた。最初は閾値…

基礎研究を税金で支えなければならないのはなぜか?

税金を使って基礎研究をさせてもらっている研究者として、この問いに対する答えは常に準備しておかなければならない。 そもそも人類の歴史の大半の期間において、基礎研究は金持ちまたは金持ちからの支援を受けた研究者が行うものだった。税金(=国の予算)…