国内の大水深調査シリーズの中でも屈指の難度と位置づけていた摩周湖の調査がついに実現した。摩周湖のデータ自体は、博士課程論文のデータにも入っていてすでにpublishされているのだけど、この時は自分は採ってきてもらったサンプルを共有してもらう立場で…
今日も日帰りで東京出張。JST創発事業のイベント「融合の場」に参加するためで、今回は自身の研究紹介のほかに、昨年の微生物生態学会で主催した創発研究者のネットワーキングイベントの事例紹介で登壇した。このイベントで採用した開催形式がなかなか良くて…
4月の年度明けごろから「これ本当に終わるんか?」という勢いで色々な締切が立て込んでいて、今週がピークになることがかなり前から分かっていた。自分は夏休みの宿題を7月中にほとんど片づけて8月はエンジョイする側で、会社員時代も始発で出勤してでも…
深水層の細菌が元気な時期がやってきたので、久しぶりの琵琶湖調査に行ってきた。だいぶ前からこの日に決めていたのだけど、暑すぎず寒すぎず風無しの調査日和。明日からしばらく悪天候の予報とのことで運が良かった。 今回は調査水深も採水量も少なかったの…
筆頭著者での新作が久しぶりにISME Communicationsから出版された。この論文は昨年度までの3年間もらっていた科研費若手のメインとなる研究成果だ。琵琶湖ではこれまでロングリードを含めて散々メタゲノムをやってきて、細菌もそれに感染するウイルスについ…
会社員を辞めて博士課程に編入学してからちょうど10年になった。辞めた当初は「会社員を辞めて研究に戻ってくる決断をした」というのが自分のアイデンティティの一角をなしていたけど、10年も経つとさすがにその感覚ももうなくて、自分はただの大学教員だと…
学生との世代間格差を感じて自分も歳をとったなーと思うことが増えたので昔話をする。 インターネットがパソコンでしか使えなくてYahooやGoogleが情報を探す主な入口だった時代、ネット上の情報は能動的に探しに行くものだった。インターネット登場以前はテ…
時間と集中力を要する重いタスクに手を付ける前に、目の前の軽いタスクを片付けたいのだけど、軽いタスクが次から次へと無数に沸いてくるので、いつまで経っても重いタスクに手を付けることができず、そのうち脳があまり集中力を要しない軽いタスクを次々と…
一昨年は萬福寺、昨年は平等院の鐘つきに参加して年を越した。昨年は後半にかけて論文と申請書の連敗を止められず、年の瀬にとどめを刺されたような感じで終わってしまったけど、冷静に振り返れば、楽しいことや嬉しいことも色々あった。一番印象に残ってい…
鹿児島県の池田湖に調査に行ってきた。池田湖は自身の研究では3度目の調査で、2017年に来て以来になる。微生物生態学的にはCPRがわんさか採れる面白い湖でもある。イージーだった前回の青木湖からは大幅に難度が上がり、遠隔地・大水深(約230m)・5水深採水…
ISRLEに参加するため、中国武漢に出張に行ってきた。主に日中韓の陸水研究者が集う国際会議で、以前日本で開催された回に参加したことはあったのだけど、今は中国はビザの面倒があるし、何よりも前の週まで東京→熊本→つくば→広島と3週間続けての出張が入って…
久しぶりのサンプリングで、長野県の青木湖に行ってきた。まだ調査ができていないエリアでありながら、それなりの水深があり、しかも比較的近くて小さくて調査しやすい、ということで優先順位的には常に上位にあったのだけど、なかなか時間が無くてやっとの…
少し時間が経ってしまったけど、今月の初めに、数々の水圏細菌の単離培養の報告で有名な、韓国インハ大学のCho研究室に招待を頂き、セミナー講演をしてきた。Cho研の論文は昔からずっと参考にしていて、メンバーとはこれまで国際学会でも何度か会って話をし…
5月に訪問したチューリッヒ大陸水学研究所のメンバーがが同じ共同研究の枠組みで2週間ほど日本に来てくれていていた。前半は国際ワークショップを主催、中盤は合同での琵琶湖調査、最後は東京の共同研究先を一緒に訪問し、そこで見送るという濃い2週間だっ…
ケアンズで行われていたViruses of Microbesミーティングに参加してきた。これまで参加したことが無かった学会だけど、ちょうどウイルスの研究をしていてネタがあったこと、研究室の他のメンバーも参加すること、今年のISMEがケープタウンで遠すぎるので代わ…
連休後半から10日間ほど、チューリッヒ大学の陸水学研究所を訪問してきた。博士課程の時に2か月半、昨年も2週間ほど滞在して、今回は3回目の滞在になる。おととしは学会でローザンヌに行っていたので、スイス出張は3年連続だ。湖畔の研究所は何度訪問しても…
自分が今なぜここにいるのかを振り返ったとき、他人の存在が起点となった出来事が多いことに気づく。自分の人生の可能性は、自身の努力と選択で広げてきたと考えてしまいがちだけど、実は自分自身ができるのは、既に存在している可能性を「伸ばす」ことに過…
「丁寧に考えて動く年にしたい」と掲げた1年が終わった。「人生に慣れて生き方が雑になってきたのではないか」という自覚に対する自分への警鐘だったのだけど、単に歳をとったことによる影響が大きい気がしていたので、正直なところ、結構難しい目標だったか…
The Local Pangenomeというワークショップに参加するため、4泊7日の弾丸でスペインのアリカンテに出張に行ってきた。ヨーロッパでここまで短い出張は初めてで、スペインに行くのも初めてで、いつも以上にトラブルにも見舞われ、覚悟はしていたけどそれ以上に…
大分で行われた陸水学会に参加後、宮崎の御池を調査してきた。九州の数少ない大水深湖でまだ調査できていなかったので、「大分まで行くならついでに」ということで計画したのだけど、九州の大きさをなめていて、大分から宮崎まで特急で3時間半もかかって全然…
エストニアでの学会に引き続いて、チューリッヒ大学の陸水学研究所に2週間ほど滞在してきた。6年前に2カ月半ほど滞在して以来、2回目の訪問になる。チューリッヒ市内から電車で20分ほど出た湖畔にあって、毎朝湖のほとりを歩きながら通勤していた。 前回は調…
恒例の国際会議Symposium of Aquatic Microbial Ecologyに参加してきた。この会議には修士課程の頃から参加していて、ウプサラ、ザグレブ、ポツダムに続いて、コロナで4年空いたけど4回連続の参加になる。名前の通り水圏微生物生態学者だけで集まって、パラ…
NHK Worldの番組Science Viewで自分の研究を30分にわたってとりあげてもらった(1年間はオンデマンド視聴可能です↓) 番組として自分の研究を世界に発信してもらえたことももちろん嬉しかったのだけど、4日間テレビカメラに密着されて、普段見ることのない番組…
京大から香港科技大学(HKUST)に移られた生態研時代の先輩の潮雅之さんに学内のセミナーでの講演に招待いただき、2泊の香港出張に行ってきた。最初に講演の話を貰ったときは当然オンライン発表だと思っていたので、本当に香港に招待いただけるということを知…
昨夏に調査した然別湖に再び調査に行ってきた。日本でも数少ない、大水深でありながら完全結氷し、逆列成層が見られる湖で、これまで調査してきた多くの湖と異なり、循環期が極めて短く年に2回あるという特徴がある。そのため、他の湖で見られるような、水の…
「湖間比較で拓く高解像度な生態系多様性研究基盤」という研究課題名でJSTの創発的研究支援事業に採択いただいた。長期で思い切った研究をできる環境を頂けることは本当にありがたい。特に今回「湖」という言葉を課題名に入れて採択を頂いた意義は自分にとっ…
歳を取るにつれて年末年始の年末年始感が無くなっている気がする。今年も忙殺されていてすでに半月経ってしまって今更だけど、1年を振り返ると、昨年の目標として掲げていた「主著論文を2本以上投稿」は何とか達成できた。もう一つの目標の「大学の先生とし…
9月20日から10月4日にかけ、チェコ科学アカデミーのMichaela Salcher博士らの研究グループが来日し、琵琶湖・猪苗代湖・中禅寺湖・洞爺湖の共同調査を行った。 Michiのことを最初に知ったのは、10年以上前の学部生の頃だ。当時卒業研究で行っていた、FISH法…
北海道の然別湖に調査に行ってきた。琵琶湖以外の湖で調査をするのは久しぶりで、今月後半に予定している中禅寺・猪苗代・洞爺湖調査のリハーサル的位置づけの調査でもあった。然別湖は最大水深約98m、標高810mで、自分が研究対象にしている大水深淡水湖(有…
コロナ以降初の海外渡航で、スイス・ローザンヌで行われた国際微生物学会(ISME)に参加してきた。ロシアの戦争のせいで、行きの飛行機は北極回りで15時間もかかった。グリーンランドの氷河や流氷がたくさん見れた。 ISME自体はモントリオール・ライプチヒに…