yokaのblog

湖で微生物の研究してます

2021-01-01から1年間の記事一覧

2021年の感想:大学の先生はとてもすごい

2021年は大学教員として過ごす最初の1年だった。コロナで例年のやり方やイベントが無くなったままなのでまだ仕事の全体像を掴めた感覚が無いのが残念だけど、ようやく自分のペースが作れるようになってきて、自分が教員であることに慣れてきた。教員になるに…

微生物生態学会2021

オンラインで2年ぶりに開催された微生物生態学会に参加した。前のポスドク先も今の就職先も、この学会での出会いがきっかけになっていて、大変お世話になっている学会だ。学生やポスドク時代はとにかく色んな人の話を聞いて視野を広げて、色んな人と話して…

陸水学会2021

2年ぶりに開催された陸水学会(オンライン大会)に参加した。もう一つメインで参加している学会の微生物生態学会では、研究技術の進歩が速いこともあって、先端的な手法や解析に圧倒される発表が多い。一方でこの陸水学会は、そういう派手さはないのだけど、…

「やらない」の先にあるものは何だろうか

昔から「やること」よりも「やらないこと」を決めるのが苦手だった。性格的に、寄り道だと分かっていても、気になってしまうと一通り納得いくまで進んでみないとどうしても気持ちが収まらない。なのでビシバシと「やらない」選択を決めて効率よくゴールに向…

対面で会うことの価値が上がった

京都化学者クラブに招待をいただいて講演をしてきたのだけど、オンラインではなく対面での発表だった。会場は京大にある楽友会館という素敵な建物で、存在は知っていたけど中に入ったのは初めて。 公式に対面で発表をするのは2020年2月以来、なんと1年半ぶり…

AVW10

運営委員を務めていた10th Aquatic Virus Workshop (AVW10) が無事終わった。本当は2018年のAVW9(アメリカ)にも参加したかったのだけど日程の都合で断念していて、当時はまさかその3年後に自分が運営する側になるとは思ってもいなかった。AVW10を宇治でや…

水素吸蔵合金

中学生の頃の話。社会の授業で、近所の自動車メーカーの社員がやってきて、自動車の開発や製造について紹介してくれる機会があった。その話の内容は今はもう覚えていない。だけど、よく覚えているのが授業後の感想のアンケートで「水素吸蔵合金が面白いと思…

人を相手にするかモノを相手にするか

人を相手にする仕事と、モノを相手にする仕事がある。人を相手にする仕事が気にするのは「伝わり方」であり、目指す成果は「納得感」だ。モノを相手にする仕事が気にするのは「事実」であり目指す成果は「確かさ」だ。どちらも「結果」を出しているのだけど…

科研費若手落ちた

環境中の未培養の細菌のゲノムが簡単に得られる時代になって、原核生物の多様性や「種」の実態を全ゲノム(=塩基配列で生物を分類するうえで最高解像度の情報)で捉えなおす動きが加速している。その中でも重要な未解決課題の一つが、「種間の明確な境界」…

学問はもっと気軽に志せるものであってよい

自分の人生は3年区切りだ。中学生・高校生を3年ずつやったあと、学部3回生まで京都で過ごし、4回生・修士2年の計3年は滋賀の生態研で研究して、その後東京で3年間会社員をやって、再び滋賀の生態研に戻って3年かけて学位をとって、3年任期のポスドクとしてつ…

出張は無くならない

コロナの谷間を見計らってつくば出張に行ってきた。前所属の産総研で長期培養している微生物サンプルの確認と、まだ京都に移動できていなかった冷凍サンプルの輸送が目的だ。 まだつくばにいた去年の7月に関西を訪れて以来、半年以上ぶりの出張だ。何もかも…

シェルのパイプからRを使って最大値や平均値を簡単に得る方法

シェルでデータテーブルを触るのにawkがよく使われるけど、最大値・最小値・平均値などを計算しようとすると結構めんどい。Rでやれば2語で済むような処理も、awkだとifやforを使って複数行を使って書かなければできなかったりする。自分はRのほうが得意なの…

論文出版社がますます嫌いになった話

前回の記事では、今回出版した論文の内容を簡単に紹介したのだけど、どちらかというと書きたかったのはこっちだ。今回の論文は初稿完成から出版まで9カ月かかった。9カ月という期間だけみると、そんなに長い方ではないのかもしれない。だけど、原稿がこちら…

離れた湖にいる細菌同士はやっぱり違う

学生時代に手を付けていた最後の仕事がようやくpublishされた。 当時調子に乗って広げまくった風呂敷を畳むのに、結局3年弱を費やしてしまったけど、何とか形にできてよかった。これで本当の意味で、博士課程でやっていた研究は完了したといえる。また本研究…

研究がとても楽しい

若いころに比べると、自分の思考や感情をあまり表に出さないようになってきた。理由は大きく二つある。一つは、歳をとって色々な経験を経て、「考えたことがあること」や「感じたことがあること」が増えたことで、「わざわざ外に発信しなくても、自分の中で…