yokaのblog

湖で微生物の研究してます

陸水学会2021

 2年ぶりに開催された陸水学会(オンライン大会)に参加した。もう一つメインで参加している学会の微生物生態学会では、研究技術の進歩が速いこともあって、先端的な手法や解析に圧倒される発表が多い。一方でこの陸水学会は、そういう派手さはないのだけど、本大会で第85回と歴史ある学会で、日本各地の陸水の研究を絶やさず着々と進めている人たちが集まる場で、その研究の幅広さに触れられることが魅力だと思う。

 陸水の研究は、その「場所」自体が研究対象になっているので、悪く言えば一般化が難しいのだけど、反面、一般的な現象を対象にする研究に比べて、競争や差別化に悩まされる面は少ないのかなと思う。そのこともあるのだろうけど、こだわりを感じる個性的な研究が多く感じられて好きだ。特に、琵琶湖を対象とした研究の数と幅の広さには改めて圧倒された。琵琶湖というフィールドの面白さに加え、そこに魅力を感じて研究をしている人たちがこんなに多様な分野にいるのだ、というのを一挙に知ることができるのは、物理、化学、生物といった区分けなく、「陸水」という共通キーワードで集まる本学会ならではだと思う。湖という研究資源の歴史と魅力と奥深さと可能性を改めて見ることができ、期待していた以上に色々と感じるものがある学会参加だった。

 ただ、やはりオンライン学会は疲れるなと感じた。オンライン開催は、学会の疲れる部分だけが濃縮されていて、その疲れをごまかしてくれる、人との交流や出張先での解放感が一切ない。疲れるだけ疲れて、画面を切るといつもの日常が急に戻ってくる、というので、去年は新鮮だったオンライン学会も、だんだんと苦痛になってきている。今月末の微生物生態学会もオンライン開催で、仕方がないとはいえ、また疲れるのは嫌だな、という気持ちも結構大きい。今回が最後で次回からはオンサイトで再開できると信じて乗り切りたい。