yokaのblog

湖で微生物の研究してます

微生物生態学会2021

 オンラインで2年ぶりに開催された微生物生態学会に参加した。前のポスドク先も今の就職先も、この学会での出会いがきっかけになっていて、大変お世話になっている学会だ。学生やポスドク時代はとにかく色んな人の話を聞いて視野を広げて、色んな人と話して人脈を広げる、というのが学会の参加目的だった。一方今回久しぶりに参加してみて、視野も人脈も広がりが一巡して、どちらかというと「この分野の研究は今どうなっているのか」「あのグループの人たちは今どんな研究をしているのか」という情報を仕入れることが主な参加意義になってきているなと感じた。

 自分の研究を発表したり人の発表を聞いたりはいつも通りオンラインで不自由なくできた。だけど学会では発表そのもの以上に、発表後の雑談や夜の懇親の場の方が価値ある時間だと思っている。今回はそれがほとんどなくて、有益な意見交換や新しい人脈作りはほとんど叶わなかった。オンラインの懇親会はそれなりに楽しめたものの、これもすでに微生態学会に知り合いがたくさんいたからで、例えば初めて参加する学生にとってはオンラインでの懇親はかなりハードルが高いだろうなと思った。オンラインでの交流は既存の人脈の貯金を食いつぶしているにすぎず、新しい人脈を作る場としては適さないな、というのは、コロナが始まった1年半前から今に至るまでずっと持ち続けている感想だ。

 身の回りでも少しずつ対面のイベントが戻ってきて、ささいな雑談の時間の重要性を改めて実感している。今回、海外の豪華ゲストの話を気軽に聞けたのはオンラインならではのメリットだと思うし、オンラインのイベントはこれからも続けばよい。だけど、学会の年会は違うと思う。特に学生にとって、他の研究室のメンバーとの交流機会が失われるのは致命的だ。来年は何としても対面でやってほしい。