
ニュージーランドのオークランドで開催された国際微生物生態学会(ISME20)に行ってきた。前回(2年前)の南アフリカはスキップしたので、2022年のローザンヌ以来のISMEだ。今回は淡水セッションでの招待講演で、参加費(なんと12万円!)免除かつ、発表も30分という厚遇。思いっきり話したいことを話せたし、雑談を織り交ぜる余裕もあって、楽しく講演できた。特に最初に掴みで入れた、「ニュージーランドと日本の共通点」というスライドは結構受けたみたいで、最後の火山が多いという共通点から日本の大水深湖の話に繋げられたのはなかなかうまくいったと思う。

もう4回目のISMEで、まともに全部参加したら情報量と会話量が多すぎてとてつもなく疲れることは分かっていたので、初日から飛ばしすぎないで、知り合い作ったり議論したりする時間とひっそりポスターを回る時間、遅くまで飲みに行く夜とさっさとホテルに戻って休息する夜のメリハリをつけて、最後まで体調を崩すことなく乗り切った。ISMEに出てくるメンツや研究のジャンルもだいたい分かってきているので、前みたいにポスターを全部消化しようとして疲弊したりすることもなく、自分に関係の深い発表を逃さず効率よく回るのも以前よりもだいぶ上手くなった。このあたりは学会慣れしてきて楽になったなと思う。
会ってみたかった中国・ニュージーランド・アメリカの研究者とも話ができたし、すでに顔見知りのチェコや韓国のメンバーとも議論できたし、日本に来たいという学生とも今後の可能性について打ち合わせができたのは良かった。一方で今回話を聞きたかった何名かの研究者は自分の発表と並行して行われる別セッションで発表をしていて話を聞きに行くことができなかった。その後会場で見かけたのだけど、ガツガツ話しかけに行くまでもないかな・・・と思って遠慮してしまったのだけど、後になって思えば、1年に1回も直接会って話すチャンスはないわけで、思い切って行けば良かったなと少し後悔している。学生だった頃は無邪気に「論文読んでるよ!」みたいな感じで話しかけに行けたのだけど、中途半端に立場が上がってしまったので、それなりに目的や内容がないと話しかけづらいという気持ちもハードルになっている気がする。考えすぎかもしれないけど。

2日目の懇親会は恒例の爆音ダンスパーティー。自分はあまり好きではないので、いつものように会話のできる静かな場所を見つけて、同じような人たちとひっそりと食事を楽しんでいた。翌日は中日でエクスカーションで、今回はレンタカーで南のロトルア方面に行くという日本のメンバーに同行させてもらい、湖や火山や温泉を見て回った。

↑人生の最南記録を更新した場所で撮った一枚。この後の人生でこれを更新することはあるかな、と思いながらこの場を後にした。
灼熱の京都からは30度近く低く、避暑のつもりでいたら、思っていたよりも寒かった。気温だけ見ると朝に一桁後半くらいの温度なので、日本の晩秋くらいかなーと思っていたのだけど、風が強くて真冬の寒さで、結局、緊急用のつもりで持ってきていた折り畳みのダウンジャケットを常に着ていた。今回はケアンズに引き続いて2回目の南半球訪問だけど、ケアンズは緯度が低くて7月で冬の沖縄くらいな感じだったので、今回は初めて本格的に季節が逆転する感覚を経験して面白かった。気温だけではなく、植物とか太陽の感じも真冬だし、遠くには真っ白な雪山も見えるし、「あれ今何月だっけ?」と分からなくなることが何度もあった。

あと面白かったのは、人種や食事がかなり多様だったことだ。白人だけでなくマオリ系や東アジア・南アジア系の人もかなりの割合でいるし、食事も結局毎日のように何かしらアジア料理を食べていた気がする。ケアンズでもそうだったけど、普通にご飯にも麺にもありつけて、普通においしいので、ヨーロッパみたいに食べ物で困ることはなかった。結局アジア料理ってどこ行っても人気なんだなと思った。寿司も人気らしくあちこちに売っていて、マヨとソースだらけの邪道進化した海外寿司を楽しんだ。スパイシーチキンイナリとか、まずくはないけど、全くシナジーを感じない組み合わせで面白かった。

フライトは大阪からの直行便がなくてメルボルン経由で、結局行きも帰りも全体で17時間くらいかかって、実は直行便でヨーロッパに行くよりも時間がかかる。けど、時差が3時間しかないので全く苦しむことなく適応できるのがとてもよい。あとは当たり前だけど、オーストラリアと同じ感想で、町中の標識やレストランのメニューが読めるのでうれしい。オークランドはヨーロッパみたいに景観のある旧市街がある感じではなく、普通に日本みたいに高層ビルが建っている都市なので、海沿いの雰囲気は横浜とか神戸に似ていて、良くも悪くも違和感ほぼなしで適応できてしまう感じがあった。

物価もそこまで高くなく、外食は日本の倍くらいするけど、ホテルとかはオフシーズンだったこともあってか部屋の広さから考えたら日本よりも安く感じた。左側通行で普通に運転できるし、季節が逆転する感じも楽しい。今度は南島の氷河などを目当てにまた来てみたいなと思った。