連休後半から10日間ほど、チューリッヒ大学の陸水学研究所を訪問してきた。博士課程の時に2か月半、昨年も2週間ほど滞在して、今回は3回目の滞在になる。おととしは学会でローザンヌに行っていたので、スイス出張は3年連続だ。湖畔の研究所は何度訪問しても最高の研究環境だと思う。

昨年のスイス訪問のミッションがさらなる共同研究の拡大を模索することだったのだけど、見事共同で出していた研究費が採択されて、今年は学生を引き連れての相互訪問と、実際に互いの湖でサンプルを採集しての解析が実現した。
チューリッヒ湖の調査は前々回訪問以来、約7年ぶり。船は同じだったけど、新たにスイスメイドな手作り電動ウィンチが追加導入されていて、調査がさらに効率化されていた。それにしても、研究室の目の前に桟橋があり、桟橋から10分も待たずに水深100mの地点に到達するアクセスはすごい。氷河湖なので一気に深くなるという特性もあって、あまりにも恵まれている。彼らは2週間おきの複数水深調査を10年以上続けているけど、このアクセスがあってこそだと思う。逆に、調査に5倍以上の時間がかかる琵琶湖で、月例の調査を半世紀以上にわたって継続しているのも結構すごいと思う。
すでにスイスには延べ4か月近く滞在していて、あちこち巡ってきたけど、5月に来るのは初めてだったので、山には春の花が咲いていて、まだ雪が残っているところもたくさんあって、週末は今までと違う景色が楽しめたのが良かった。オーロラが見れた夜に気づかずに寝てしまっていたことが本当に残念で、同行した学生や、研究所のメンバーには見た人も結構いた。もう、こんなチャンスは二度とないだろう・・・惜しいことをした。

帰国後は収集したサンプルを持ってそのまま国内の共同研究先に直行し、サンプルを解析し、ようやく昨日自宅に戻ったところだ。
海外滞在は本当に面白い。生活でも仕事でも文化の違いを学ぶことができ、見習うべきところもあれば、日本の優れているところに気が付くこともある。改めて思うのは、自分は食事を重視するので、ヨーロッパにずっと住むのは難しいなということだ。日本の食事の多様性と味わい深さは本当にすごいなと思う。ただしチーズについてはスイスが圧勝で、本当に美味しくて多様で、スイス人が日本にきたらさぞ物足りないだろうなと思う。あと、分かってはいたけど「スイス物価+インフレ+円安」で金銭感覚が破壊されて帰ってきた。前々回訪問時は1フラン110円だったのが今は1フラン170円を超えている。60フランと言われて、7000円くらいかと思ったら1万円を超えている。全てのモノの値段が日本の3倍、外食は5倍という感じで、その分給料も上がっていて、当たり前のように博士の学生が今の自分よりも良い給料をもらっている世界で、経済格差を感じさせられた。
8月にはスイスメンバーが日本にやってくる。とても楽しみにしてくれているので、最上級のもてなしで迎えて、調査と研究交流を成功させたい。