yokaのblog

湖で微生物の研究してます

国際微生物生態学会(ISME18)@ローザンヌ

コロナ以降初の海外渡航で、スイス・ローザンヌで行われた国際微生物学会(ISME)に参加してきた。ロシアの戦争のせいで、行きの飛行機は北極回りで15時間もかかった。グリーンランドの氷河や流氷がたくさん見れた。

ISME自体はモントリオールライプチヒに続いて3回目の参加で、会場の雰囲気はある程度知っていたので、以前のように「とにかく色々行きまくって疲れまくる」ということはしないで、自分の興味に近い発表だけを効率よく回ることができた。というより、帰国前のコロナ検査で引っかかって帰れなくなるのが怖くてできるだけ参加を避けたというほうが正確かもしれない。特にポスターセッションは半数以上がノーマスクかつ三密が完全に揃っていて危険な雰囲気が漂っていたので、一切参加しなかった。ポスターセッションの時間にホテルで一人で食事をとる代わりに、ランチタイムの人がいない時間にポスターを見て回る、という方法で、一応ポスターは一通り目を通せはした。休憩時間に提供されるコーヒーや軽食も手を付けず、恒例の大規模パーティーももちろん参加せずで、自由に楽しめない感じが常にストレスな海外出張だった。


 救いは、今回は口頭発表で採択されたので、自分の研究を多くの人に知ってもらえたことと、その反響が思ったより大きくて、発表後に色々な人に声をかけてもらったり、共同研究に発展しそうな案件も出てきたりしたことだ。また以前書いたように、若い頃と比べて学会に参加する意義として、「情報収集」以上に「同窓会」的な側面が増してきているのは今回も感じた。特にコロナ前は毎年のように会っていたヨーロッパの共同研究者らと久しぶりに対面して、研究の打ち合わせも含めてじっくり話ができたのは、このストレスを乗り越えてでも今回無理やり海外に出てきた意味があったなと思った。それでも遅くまで飲みに付き合うということは今回は避けたので、以前のようなレベルで交流を深めることは叶わなかった。

 案の定、会場で感染してしまった人がそれなりにいたようだ。スイスは完全にコロナ前の生活に戻っていて、もはや感染するかどうかは運の問題でしかないと感じた。自分は結果的に帰ってこれたので、無理しても行って良かったなという感想だけど、結局ほとんどの食事をホテルで一人でとって過ごすことになったし、「周りは楽しんでいるのに自分だけ自由に楽しめない」というストレスが想像以上に大きかったので、海外とのコロナ対策の温度差がもっと縮まるまで、しばらく海外出張はしなくても良いかな、というのが今回の感想だ。