yokaのblog

湖で微生物の研究してます

遠くなった琵琶湖

 関西に置いてきた培養サンプルが回収できずにずっと研究が止まっていたのだけど、県外への出張が許されるようになったので、4か月半ぶりの出張に行ってきた。行く途中、4か月半行っていない東京がまだ本当にこの世に存在しているのかをこの目で確かめるのが楽しみだったのだけど、車窓から見える東京では意外に普通に人が歩いているなと感じた。一方、新幹線はガラガラで、まだ元の世界には全然戻っていないのだなと感じた。必要緊急の出張とはいえ、感染者が再び増える中で、絶対にウイルスを持ち込む/持ち帰るわけにはいかないので、直前までどうするか迷ったし、出張中もずっと嫌な緊張感を感じながら過ごさなければならなかった。外出してあちこちに行くことに対するハードルが思った以上に高くなっていて、毎月のように気軽に出張していた去年のような生活は、当分戻ってこないのだろうなというのを改めて実感することになった。帰路につくとき、海外から帰るときのような「もう当分ここには来れないのだろうな」という気持ちになり、関西や琵琶湖がすごく遠いところになってしまったと感じた。

 当分出張しなくても良いように、琵琶湖の水でしか増えてくれないわがままな微生物達のために、琵琶湖水をたっぷり処理して持って帰ってきた。命懸けの出張が報われる結果が出て欲しい。

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