yokaのblog

湖で微生物の研究してます

申請書書きは嫌いじゃない

科研費シーズンということで来年度の申請書を書いていたのだけど、これまでの申請書類と比較して今回はかなりスムーズに書くことができた。今までは文章を書きながら考えたり文献を探したりということが多かったけど、今回は箇条書き状態でしっかりと煮詰めてロジックを完成させてから、一気に本文を書き上げる手法をとった。こういう方法ができるようになった背景として、経験値が高まってきて、

  • やりたいことがはっきりと分かっている
  • やりたいことに対する問題点(どこまでが分かっていて、どこが突破口になるのか)がはっきりと分かっている
  • 主張の根拠となる文献情報がはっきりと分かっている

状態になったことがあると思う。図表の入れ方に対するスタンスもこれまでの成功体験から自分流のやり方が確立できているので、頭の中にあったイメージを形にする作業時間だけで済んだ(会社員時代はアウトプットイメージを作るところまでが仕事であとは専門のスタッフさんがキレイな図にしてくれる世界だったので、この作業すら自分でやる必要はなかったのだけど)。文章や項目の構造やフォント、行間や罫線や余白の使い方も我流が確立してきた。ちなみに自分は、見た目やページ割をよくするために、行間を細かくいじる。1ポイント行間を変えるだけで余白をかなり捻出/削減できるし、段落前の行間や左右の余白の入れ方も読みやすさに大きく影響する。こういうミニテクを身に着けたことで、文章割りの迷いが少なくなったことも効率化に貢献している。

 日本語表現の使い方や文の切り方も、申請書っぽい言い回しがより自然に出てくるようになった感覚があって、この辺は何度も落とされながらも書き続けてきた経験が活きてきたのかなと感じる。とはいえ、よりシニアな研究者に文章を見てもらうとさらにこなれた表現になって返ってきて感心する経験もよくあるので、まだまだ未熟でこれからも改善余地があるのだろうなと自覚している。

 その他にまだ経験が足りないなと思ったのが、箇条書きを文章化したときの分量の見積もりだ。今回も箇条書きの段階でだいぶ煮詰めたつもりだったけど、文章化すると全然スペースが足りない。なので、そこから箇条書きに戻ってロジックを練り直す手戻りが発生してしまった。この辺はさらに経験を積んで一発で決められるようになりたい。

 申請書は研究の本体ではないのでできるだけ省エネで書き上げたいと思いつつも、なんだかんだで自分の頭を整理する良いきっかけになるし、少しずつ自分の文章テクや作業時間見積もりの正確性が向上していくのも楽しいので、定期的にやっておきたいなと思う。