yokaのblog

湖で微生物の研究してます

微生物生態学会@沖縄

 沖縄の微生物生態学会に参加していた。台風で日程が1日短くなって、過密スケジュールだったけど、楽しい時間を過ごすことができた。昨年は海外にいたので国内の学会に参加するのは久しぶりだったのだけど、やっぱり学会は楽しい。

 一番の感想は「日本語を話し過ぎて疲れた」だ。最近ラボにいても、一人で黙々と論文を書いている時間がほとんどなので、連日朝から晩まで話し続けて、外国に行って英語漬けになったときのような脳みその疲れを感じた。研究上の議論はもちろん、飲み会での日常的な会話も含めて有意義な情報交換ができたし、楽しかった。会話というのは、他人が物事をどう考えているか、自分が他人にどう見られているのか、という声を直接聞けるだけではなく、自分が相手に話をすることで、自分自身が考えていることを言語化して整理・再確認できるという意味でも必要なことだと思った。

 学会の雰囲気については、これは飲み会でも話題になったのだけど、NGS技術が成熟してきて「とりあえずたくさん読んでみました」という研究から、目的を達成するための手段としてNGSを使うような研究が増えたという点と、微生物同士・微生物と他の生物との相互作用に注目した研究が増えたという点が印象に残った。後者に関しては、しばらくブームは続きそうな感じでしっかりフォローする必要があるなと感じつつも、個人的にはすでに乗り遅れている感があるので、「さらにその次は何が来るのか?」ということを考え始めておかなければと思った。飲み会ではそういう観点ですでに動き始めている人の話も色々聞けて、とても面白かった。こういう「未来で当たり前になるものを予測して手を付けておく」というのは研究でもビジネスでも一番クリティカルかつ楽しい作業だと思う。

 また自分のアンテナが広がったということがあるのだと思うけど、以前よりも多くの発表に対して興味を持って聞けるようになったと感じた。これは良いことだと思う。自分自身の研究が全体のどこに位置付けられるのかをより客観的に見ることができるようになるし、何より、今まで気づいていなかったその研究の面白さや価値に気が付けるようになったというのは単純に楽しい。とはいえ、まだ「この研究は自分に関係ないかな」と見えている研究も多いので、これからもインプットを続けて守備範囲を広げていく努力が必要だと思った。「この人と共同研究したら面白そうだな」という発表もいくつかあったのだけど、今は風呂敷を畳む時で、新しいことに手を出している場合ではないので、積極的にこちらから声をかけることができなかったのが残念だ。早く手持ちの仕事を片付けて、新しいことを考えられるようになりたい。

 発表は、今回はシンポジウムでさせてもらった。まだデータがあまり揃っていなくて、趣旨に合うような話が提供できるか不安だったけど、少し夢も語らせてもらって、なんとかまとまった話にした。「面白かった」と言ってくれる人もいて嬉しかったけど、自分自身、今回語ったことがどこまで達成できるのか全然見えていない。デカいことを言っておいて全然実現できなかったら申し訳ないし、そうならないように頑張らなければならないと思った。