yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

湖沼の水質の調べ方

 今書いている論文で、日本中の湖沼の水質データが必要になって色々調べたのだけど、結構苦労したので方法を備忘にメモ。

 まず、データベースなのだけど、おそらく日本国内の水環境を最も網羅的に調査しているのが、環境省の公共用水域水質測定調査だと思う。大型湖沼はもちろん、河川や小さめの池まで、あらゆる水環境について、年1回以上の調査が行われていて、水温、pH、溶存酸素、全リン、全窒素等の基礎的データに加え、サンプルによっては微量金属や有害有機物の数値まで測定されている。湖沼によっては、都道府県や個々の研究者によって、もっと細かい測定項目のデータが測定・公開されている場合もあるけど、湖沼間のデータを比較したい場合などは、網羅的に統一された項目・方法で測定されている本調査の結果を使うのがやっぱり便利だ。

 で、このデータへのアクセスなんだけど、普通に「公共用水域 水質」とかでググっても全然出てこない。出てこないどころか、リンク切れだらけの前のバージョンのウェブサイトや、環境省の元データを転載して作られた中途半端なデータベースなど、ノイズ情報がヒットしまくる。しょうがないので、僕は頑張って探した本家のサイトをブックマークに登録することにした↓

水環境総合情報サイト

 で、ここにたどり着いてからも、色々分かりにくい。まず、非常に似た作りで複数の異なる情報が並列で公開されているため、自分が間違ったところにいることに気づかず、グルグルしてしまうことが起こる。

 ここでは大きく3つの情報が公開されている。その入り口が、左側にある「水質調査データの公開」の項目にある「①公共用水域水質測定データ」「②広域総合水質測定データ」「③水浴場水質測定データ」だ。今回見たいデータベースは①だ。なのでまずこれをクリックする。

 すると日本地図の上に色々表示された画面に出る(いちいち書かないけど、この画面の操作性も最悪だ)。今回欲しいのはデータそのもの(数値が載ったエクセルファイル)なので、地図には目もくれずダウンロードページに飛ぶ。

 が、ここでまた罠がある。右上に「ダウンロード」という項目があるので、そこをクリックすると、色々ダウンロードできそうなページに飛ぶ。だけど、なぜか僕のネット環境からのアクセスだと、どのボタンを押しても一切反応せず、何もダウンロードすることができない!なんなんだこれは。

 ということで正解は「測定結果検索」だ。ここをクリックすると、データを検索できるページに飛ぶ。このページの使い方もどこにも説明がなく、未だに半数以上の項目の使い方が分かっていないのだけど、とりあえず目的に到達するための道順だけ書く。

 まず、「データ種別」だけど、月ごとの一番細かいデータが欲しいなら「公共用水域(検体値)」だ。年間平均のデータだけで良い場合は「公共用水域(年間値)」を選ぶ。

 次に「測定地域」だけど、知りたい湖や川の名前がもう決まっているのであれば、その名称で「水域名」で検索(「総括表を表示」をクリック)をかければ一発だ。だけどここにも罠があって、完全一致でないと検索結果を拾ってこない仕様になっているので、入力する文字を間違えるとデータが出てこない。例えば「琵琶湖」で調べても出てこないのだけど、これは調査対象に琵琶湖が含まれていないのではなく、琵琶湖は北湖と南湖で別の扱いになっているので、例えば北湖を調べたければ「琵琶湖(1)(琵琶湖大橋北)」と入れなければヒットしないのだ。なんという使いにくさ。なので、対象の水域が検索で引っかからなくても、都道府県別の検索などもやってみながら、本当にその水域のデータが存在しないのかどうかは確認したほうがいい。

 で、ついに対象湖沼のデータが表示され、左上にダウンロードボタンが現れる。が、ここも罠だ。このままダウンロードを押してしまうと、デフォルトの表示項目(今ブラウザ上に表示されている項目)しかエクセルになって出てこない。本当はもっといろんな項目が測定されているはずなのにだ。全ての項目のデータをゲットするためには「表示物質の設定」から全項目を選択し、画面を更新してからダウンロードボタンを押す必要がある。これでようやく、全リン・全窒素等を含んだ、その湖の対象期間の全ての水質調査結果が手に入る。

 データはCSV形式だ。湖の場合、データは測定地点、測定月、測定深度の順にソートされたものが出てくる。このデータも非常に見づらい。まず各測定地点が「ST-1」みたいな書き方しかされてなくて、一体どの地点のデータなのかがどこにも書かれていない。これはググりながら環境省の過去の報告書を漁ってきて自分で調べるしかなく、すごく時間が掛かった。また、各項目の単位もどこにも書かれていない。これは、検索画面の「測定値」のプルダウンに載っていることを発見して、事なきを得た。これでようやく日本中の湖沼の水質データの比較ができる。

 ・・・以上、こんなことに丸一日近く費やしてしまったので、今後のためにメモっておく。労力もコストもかかった、継続的・網羅的な素晴らしい調査なのに、データベースが使いにくすぎて、本当に残念だ。

 ちなみに日本中の湖沼のデータを比較していると、都道府県ごとに調査の性格(?)みたいなのが見えてきて面白い。北海道は地点が多いせいか、広く薄く採られている印象。富士五湖は測定項目も頻度も充実している。猪苗代湖中禅寺湖・池田湖は深いところまできちんとデータが採られているのが有難かった。琵琶湖は地点数・項目数・測定頻度とも他を圧倒していて、さすがのこだわりを感じた。