yokaのblog

湖で微生物の研究してます

湖岸の研究所

 チューリッヒに到着して1週間。少しずつ慣れてきて、具体的な研究の話も進みはじめた。自分がこれまでやってきた仕事を見せて最先端の研究者達からコメントを貰えることで、自分の研究のレベルを客観的に知ることが出来るし、何よりも鳥肌が立つくらい楽しい。よそ者が一人で乗り込んでどうなることかと思ったけど、申し訳ないくらいみんな親切にしてくれる。僕の論文を読んでくれていて、研究に興味をもってくれる人も多くて、そういう意味では、去年じゃなくて、成果が出始めた今年のタイミングで渡航できたことは良かったと思う。去年、頑張って書いた申請書を落としてくれた某組織には感謝したい。

 研究内容とは別に、もう一つ素晴らしいのが、研究環境。ラボはチューリッヒ湖の湖畔で、とにかく素敵な場所にある。

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↑この建物の中に、ラボと居室が入っている。2階のバルコニーでは夕方から学生たちが湖を眺めながらビールを飲んでいたりする。建物は古いらしいけど、中は改装してあって、とてもきれい。

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↑ラボの目の前が湖で、近所の人たちが日光浴や湖水浴をしにきている。団体がボート遊びやバーベキューをしていたり、結婚パーティーをやっていたりでとても賑やか。そんな横で、顕微鏡のぞいたり、PCRをやったり、Linuxでデータ分析してたりしている。研究に疲れたら、泳ぎに行ったり、ヨットで遊んだりしている。自由すぎる。

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↑今日はチューリッヒ湖の採水に連れて行ってもらった。調査船は生態研の船よりは小さいけれど、様々な細かい工夫が凝らしてあって、とてもシステマティックにサンプルがとれるようになっていた。何より、ラボの目の前に船がとまっていること、湖心の調査地点にたった10分でつくということが素晴らしい。120mまでの複数水深の鉛直調査が2時間弱で完結してしまった。これを多項目で2週間に1度、2008年からずっと続けていて、物凄い数のサンプルが蓄積されている。これは本当にすごい。

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↑遠くにはアルプスの山が見えている。今週末には雪が降り始めるらしい。

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↑湖畔には高級住宅街。銀行の偉い人とかが住んでいるらしい。チューリッヒではこれまでの海外の街に比べるとスーツを着た人を多く見かける。それでも、東京にははるかに及ばないけど。

 今のところ、とても快適で楽しい。せっかく慣れてきたところだけど、来週はクロアチアでの学会に参加。琵琶湖のウイルスゲノム乱獲ネタを世界初公開してきます。