yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

研究での仲間の作り方

会社員人生を経験して、思いを強くしたことの一つに

仕事へのモチベーションやアウトプットの質は、「何をやるか」でなく「誰とやるか」で決まる

というのがある。仕事の中身に興味を持てるかどうかよりも、一緒に仕事をする仲間と気が合うかどうかが、楽しく健康的に、良い成果を出すために絶対必要条件だということだ。たとえば研究室選びをする学生にアドバイスするにしても、「テーマよりも、教授や先輩と合うかどうかで選んだほうがよい」と答えるのが本人のためになるアドバイスなんじゃないかな、と思っている。

 

 ということで、良い仲間を見つけることが、良い仕事をするために重要なことだと思うんだけど、その仲間を集める方法は、2種類に分けられると思う。「前払い」と「後払い」だ。

「前払い」は、簡単に言えば「お金でつながること」で、自分が主導権を握って、目的にかなった仲間を雇うことだ。お金があるんなら、このやり方が一番早く目的を達成できる近道であると思う。ビジネスでももちろんそうだし、研究でも、スピードが求められる場面では、どんどん人を雇ってぐるぐるプロジェクトを回すのが効率的だ。そういう仕事の仕方は、個人的にも理想だと思っていて、いずれはそのようなポジションに立ちたいと思う。

ただ「人を雇う」というのはものすごくお金のかかることで、そう簡単にできない場合がほとんどだ。そういう時に「後払い」の方法を使うことになる。これは平たく言えば「信用・興味でつながること」だ。お金のやり取りはなくても、共通の利益が将来見込まれるのであれば、一緒に目標に向かって頑張ることができる。ビジネスでいうと、商品の共同開発先を探しに、他社に営業にいくようなものだと思う。研究でも、共同研究者と一緒に実験をしたり、一緒に研究費をとりにいったりすることは日常的に行われていると思うし、人を雇うことができない学生にとっては、これが唯一の仲間を集める方法だ。「前払い」で人や外注をうまくつかって成果を出すのも大変なことだけど、やっぱり本当に難しくて腕が問われるのは、お金が無いなかでどう目的を達成するのかが試される、「後払い」のほうだと思う。

 

この「後払い」をきちんと成功させるにはどうするか。ポイントは「ギブ&テイク」でお互いが得するようにすることだと思う。そのためには、こちらが「やりたいこと」ばかりでなく、こちらが「できること」を見せて、自分を売り込んでいく必要がある。商品の共同開発先に営業に行くためには、まず自分たちの力でどの程度の商品が作れるかを見せたうえで、「あなたが持っているこの技術が追加されれば、もっといい商品になってバカ売れです」ということを訴えなければならない。つまり、自分なりのアウトプットを作ったうえで、相手先に持ち込んでいくことが必要だということだ。

研究でも同じだと思う。共同研究は、お互いが「こいつとこれやったら絶対面白い!」と思うことから始まるのは言うまでもないことだ。自分の研究の面白さを見せる努力無しに、相手の協力を得ることはできない。

僕の研究分野では、化学分析ができたり、統計ができたり、バイオインフォができたりする人は、貴重な存在で、色んな人から声がかかりやすいポジションにいる一方で、「面倒な分析を丸投げされる」という不遇にイラついている人も多いんじゃないかと思う。そういうことにならない為にも、言いだしっぺはまず「自分ができること」をきちんと形にして、相手に「おもしろいかどうか」を判断してもらえるようにしなければいけないと思う。

 

楽しく質の高い研究をするには、良い仲間が必要だ。そして、良い仲間を探すためには、良いアウトプットを持ち込まなければ、難しいと思う。僕も温めている研究のアイデアがいくつかあるのだけど、あまり焦らず、まずは自分なりに考えて納得するものを作りこんだうえで、周りの人に持ち掛けてみようと思っている。