yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

3年経った

無事学位を取得しました。これで僕は学部・修士・博士と3回京都大学を卒業したことになる。途中で3年間会社員生活を挟んでいるけど、2006年に入学したのはもう12年も前で、本当に長い時間が経ってしまったのだと感じる。学位授与式の最後に「今日は本当におめでとうございました」と締めくくられて皆が席を立った瞬間、「これでもう大学で学生としてやれることは本当に何も残されていないのだな」ということを少し感慨深く感じて、つい「終わった・・・」と声が漏れてしまった。

 これまでの人生、僕は常に3年刻みで環境を変えて生きてきた。中学3年、高校3年、大学学部3年(京都)、研究室配属~修士まで3年(滋賀)、会社員3年(東京)、博士課程を3年(滋賀)、そして次の学振PD(つくば)も最大3年の予定だ。3年というのは自分にとって、納得感を持って次の環境に移るのに必要な期間でもあり、これまでの自分を振り返る節目であるし、今後の自分のことを考え直すきっかけでもある。

 今回の学振PDの受入先は、できるだけ自分の視野を広げることができるよう、あえてあまり専門が近すぎない、かといって違いすぎると意味がないのでちょっとは共通点があるような場所を選んだ。受け入れてくれた方々には本当に感謝しているけど、正直自分の中でもこの選択がどれくらいうまくいくのかは未知数だと思っている。しばらくはこれまでにやってきた自分の仕事の論文を書くので手一杯になりそうだし、今後どれだけラボの特色を生かした仕事やメンバーとの共同研究ができるのか、ここで自分の立ち位置はどうなっていくのかという点については、まだ不安が多い。

 その不安の原因を根本まで突き詰めていくと、結局今自分に余裕がなく、あまり先のことまで考えることができていない、ということになるのだと思う。本格的に環境メタゲノムの研究を始めて、これまでとはデータの量も扱い方も大きく変わった。今まで経験したことのない状況の中で、次々とライバルから論文が出てくるなか、中々分析が前に進まず、論文が書けるのか不安で、焦る日が続いている。

 新しい環境は色々な分野の優秀な研究者がいて、互いに敬意を持って接していて、相談したり刺激を受けたりできる、素晴らしい場所だ。そこで周囲のメンバーと自分を比較し、改めて「これまで自分が面白い・重要だと思って取り組んできた課題は、本当にそれだけの意味があるのか?」「残りの人生でできることは限られている中で、自信をもって取り組むに値するテーマなのか?」ということよく考える。京大から初めて飛び出して、一人自分のテーマを持って来た自分は今、これまでやってきた自分の研究への価値観や自信が揺さぶられていて、その固さが試されていると感じる。

 そんなせっかくの3年という節目にありながら、相変わらず目の前の仕事でいっぱいいっぱいな毎日で「このままではいけない」という気持ちと「とにかく目先の論文書きを終わらせないと何も始まらない」という気持ちが入り混じる中、新しい環境の刺激の多さをまだしっかり受け止め切れていない、というのが引っ越して2週間たった今の現状だ。