yokaのblog

湖で微生物の研究してます

9月琵琶湖その1

今日は琵琶湖に行ってきた。琵琶湖に行く日はずっと晴れていたのだけど、今日は久しぶりの雨。

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雨の影響か表面水温はだいぶ下がって26.5℃。透明度も6.4mまで低下していた。

 船上濾過システムもかなり改良が進んできて、採水から20分で10L の水を処理できるようになった。サンプルはその場で氷漬けにして持って帰るので、鮮度もバッチリ。

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連日の調査でさすがに疲れた。そしてデスクワークがなかなか進まない。

 最近思うのは、フィールド調査ってかなり高い投資だなってこと。準備・片付け含めて全工程を通算すると、非常に時間と手間がかかっている。その時間があれば分析や論文書きがどれだけ進むかを考えると、失うものは結構大きい。なので、その投資を回収できる勝算があるのかどうかを本当に考えて、できるだけローコストハイリターンになるように調査に出なければならないと思う。確かに、現場にできるだけ出て観察事例を増やし、緻密なデータをとってこそ生態学だという意見も分かるし、採り逃しが怖いからできるだけたくさん採っておきたいという気持ちも分かる。それでもやっぱり、データ数を増やすことのメリットや、採り逃しが発生するリスクを冷静に評価して、それが調査に必要なコストを投資するに見合うのかどうかを計算しきる計画力が無ければダメだと思う。無限にリソースがある大金持ちなのであれば話は別だけれど、残念ながら、自分の時間も、税金から捻出される研究費も給料も、タダではない。その中で効率的にアウトプットを出すしかない。現場に行くことは楽しいし、生態学研究の本分なのだけど、機会損失と引き換えに来ているのだという意識は忘れないようにしなければならないと思う。