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yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

ISME@モントリオール

 カナダのモントリオールで開催された国際微生物生態学会(ISME)に参加してきた。街の中心部にあるカラフルでおしゃれな会議場で開催。

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 今回はラボからは自分一人の参加だったのだけど、1年ぶりに会った海外の研究者や、現地で会った日本人研究者と一緒に行動できた時間がけっこうとれたので、一人ぼっちになることもあまりなくてよかった。

 学会の中身にも大満足で、話したいと思っていた人とは一通り話すことができたし、自分の研究発表に対する好感触も得られた。そしてやっぱり、近い分野の人たちのまだ論文になっていない成果が見られるというのが最高に面白い。最近論文出てないなぁと思っていた人が裏で大仕事を進めていたことが分かったり、最近出たばかりの論文が次なる研究の布石であることが判明したり、有名研究室の新しい学生が面白い研究を始めていたりと、自分も頑張らなければと思うことがたくさんあった。

 近い分野だけではない。あらゆる微生物生態学者が集結するこの学会はポスター会場の全貌を把握しきれず、回りたいポスターの番号をメモしておいても時間が足りないくらい巨大な学会だ。淡水に限らず、海洋だったり、嫌気環境だったり、新手法の開発だったり、色々なテーマでセッションが組まれ、しかも各分野の大物がパラレルで講演をするので、どれを捨てるのか本当に迷ってしまう豪華なスケジュール。そして大物が勢ぞろいしていることで、

誰がトップを走っていて、どんなことが最先端で、次は何が解決すべき問題なのか

という情報が、ものすごく効率的に得られる。特に「誰が」という点がとても大事だということを今回感じた。やっぱり、研究は人ベースだ。同じ研究対象を扱っていても、研究の味付けの仕方は人によって違う。その味付けが自分の好みに合うかどうかというのももちろんあるけど、やっぱりその人が「何を疑問に思って研究をしているのか」ということが、その味付けの良しあしを決めているように思う。言い換えると「良い問いを立てられているか」ということだと思うのだけど、良い問いが立てられている研究者は、一連の研究が一つの壮大なストーリーに乗っているので話が分かりやすいし、追究の深さも半端ではない。なので、個々の論文に対して「こういう研究がある」という覚え方をするよりも、個々の研究者に対して「こういう研究をやっている人がいる」という覚え方をするほうが、効率的にトレンドを追えると思った。やっぱり、こういう大きな国際学会には定期的に参加して、誰が何をやっているのかを、その人を実際に目の前にして確認するというのは大切なことだ。

 ちなみに中日の前日の夜の懇親会は、研究者たちが爆音で踊り狂うという、日本では絶対に許されなさそうなチャラいパーティーだった。僕はこういうノリにはついていけないので、後ろからその様子を観察しているだけで満足だった。

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 そして中日は海外の研究者に誘われて植物園へ。見たことない植物が色々いて面白かったのだけど、一番面白かったのは葉っぱに穴が空いている植物。下の葉にも日光が当たるようにするための仕組みらしく、上の葉になるほど穴の大きさが大きくなっていくらしい。

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 学会終了後は、飛行機までに時間があったので、レンタルサイクルを借りて、慣れない右側通行でモントリオール市内をサイクリング。

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セントローレンス川を渡る橋。五大湖の流出河川という意味では瀬田川と同じ位置づけだけど、桁違いに大きかった。そしてそのでかさで意外に急流なのに驚いた。瀬田川とは全く別物。

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↑川と運河を隔てる中州のサイクリングロード。信じられないくらい長い距離の舗装された車のいない信号のない道。自転車が好きな人にとっては天国。

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↑最後は山登りもして、市内を一望できる場所へ。結局、かなりの距離を走った。こういうのは自分のペースでやりたいから、一人でないとなかなかできない。

 そして日本に戻る飛行機の中からはミシガン湖が見えた。これは北端の一部だけど、信じられないくらいでかい。このでかい湖の深層にも、琵琶湖で見つかったのと同じ系統の細菌が、びっしりと生息しております。すごすぎる。いつか水を採りにいきたい。

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 しかし、とても疲れた。気候も食事も言語も違う場所に一人で乗り込んで、心身ともにかなり消耗した。本当に一大イベントでした。