yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

8月びわこ その2

 今日は今月二回目の琵琶湖。ここ最近台風や豪雨もなく、ずっと猛暑が続いていたので、あらゆるものが「真夏の琵琶湖の最強版」になっていた。

 まず船着き場についてすぐに目についたのがアオコ。水の動きが少ないと発生しやすいと言われているけど、ずっと雨が降ってないせいで、琵琶湖の水位も-36 cmまで下がっていて、南郷洗堰の放水量もずっと30トン以下。この夏、琵琶湖の水はほとんど動いていない。昨日見てきたけど、瀬田川までもアオコで緑の水になってしまっている状況だ。

f:id:yokazaki:20160818205311j:plain その一方で、北湖では水がますます透明になっている。少雨で川からの泥の粒子の流れ込みがないうえ、猛暑で温度躍層の発達が進んで、表層の栄養不足による植物プランクトンの減少がすすんでいるからだ。水深10 mまでが水温28℃以上、そこから水温が一気に下がって、水深20 mではもう13℃という状況。透明度は8.5 mで、採水器をおろしても外洋のように水が透き通っている。

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 そして水が透明になると現れるのが最小の植物プランクトンであるピコシアノバクテリアだ。5 mで採水した水を早速蛍光顕微鏡で見てみたのだけど、うじゃうじゃいた。

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ちなみに同じ視野でみた細菌がこれ↓f:id:yokazaki:20160818210519j:plain

 細菌が4.6×10^6 cells/mlに対して、ピコシアノバクテリアが3.0×10^5 cells/ml もいて、全細菌の6.5%を占めている計算。

 ピコシアノバクテリアが元気に増えているということは、それだけそれに感染するウイルスもたくさん発生しているはずだ。ということでウイルスを見てみると、これまた今までに見たことが無いくらいたくさんいた(弱く光っているやつも結構います)↓

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 現存量は1.2×10^8 particles/mlで、気のせいかもしれないけど、粒子の光り方もいつもより強くて、状態が良いものが多いような気がした。真夏の透明な水、面白い。透明ということは、大きな生き物や川から流れてきた泥の粒子が少ないということでしかない。小さな生物やウイルスの世界は、透明な水の中でむしろ活発に展開されている。今日採ったサンプルのシーケンスデータの解析が楽しみだ。

 そして最後は積乱雲の発生で急に波風強くなり、慌てて撤退。何から何まで真夏でした。

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 次の日曜日からは海外出張。カナダで行われるISMEで発表と情報収集してきます。すでに要旨が発表されているけど、僕が研究しているマニアックな細菌を研究している人がいることが判明して、しかも僕が研究している環境とは違う環境から見つかったという内容らしいので、どんな発見が発表されるのか、すごく楽しみだ。