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yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

バイオインフォマティックス学会&11月琵琶湖

 先週はバイオインフォマティックス学会なる学会に参加してました。これからは全ての生物学が情報との戦いになるはずだ!ということで、少なくともある程度のリテラシーは備えておくべきだと思っているので、ド・アウェーの中、敢えて飛び込んでみた次第。自分の研究で直面する問題を解決すべく手作業で試行錯誤した結果と、自動化に向けての課題、というその道のプロの方々からすると、ゴミみたいな内容の発表だったわけですが、「これは成果物じゃなくて企画書だ!」というくらいのつもりでいて、色んな人とディスカッションするのが主目的だったので、その点では自分の発表に少なからず興味を持ってくれた人がいて、ポスターの前で話ができたのは本当に行って良かった。こういう図太さみたいなんは、会社員時代に色んな会社に企画書持って営業して回った経験で培われたのではないかと思っていて、自分では「ショボいかも」と思っていても、それなりに形にして持っていけば、案外刺さって次の話に進むこともあるんで、やってみなきゃ分からん、的な。まぁ科学者としてはあんまりよろしくない態度な気もしますが。

 そんなわけで、まぁ具体的な話に発展することはなかったけれど、色々とヒントも得られたし、知り合いもできて良かったです。学会は、医学・薬学系の人たちが過半を占めていて、環境系の人たちはどちらかといえば少数派。けど、人数は少ないながらも、微生物系の人たちを中心に、尖った人が多くて面白かった。微生物メインの学会では忙しすぎてお近づきできないような大物研究者と話せるチャンスがあったのも副産物的に満足できた点。けど、環境系の人たちはもっとこういう学会に顔を出しても良いのではないかな・・・決して情報分析がメインの仕事ではないけれど、だからこそ情報系の人達とコラボできるよう、共通言語的な素地は最低限身に着けておいたほうが良いと思うし、データベースを実際に管理している方と話してみて、思いがけない便利な使い方を知れることだってある。今回の学会でも、バイオインフォ学会と微生物生態学会とのコラボを前面に押し出しているセッションもあったりして、少しずつそういう方向に向かっていっているのだとは思うけれど。

 あと、印象に残ったのは、そのセッションで「ドライとウェットのコラボの在り方」みたいなのを議論しているときに、「ドライの人にはもっと臆せず小さな発見でも仮説としてどんどん出してきてもらいたい」というウェットの研究者に対して、「ドライの研究者だって仮説を出すだけじゃなく、検証のプロセスに加わりたいのだ」というドライの研究者の意見が出てきたところ。僕はどちらの言うことももっともだと思うけれど、ドライは仮説を「生み出す」、ウェットはそれを「検証する」という、研究の性格上の違いを超えることはどうしても難しいと思う。情報はあくまでツールであり、直接生き物を扱うことはできないからだ。だからやはり、当たり前だけど、相互理解を深める、というのが解になるのではないだろうか。何が問題で、何ができて、何が難しいか。これを共有できるだけでも大分違うと思う。そういう意味でも、やはりこういう学会同士のコラボは重要だし、個人としてもそういう場には今後も顔を出したいなぁ、と感じた。

さてそのあとは、ドライの世界で凝ってしまった目と体をほぐしに、月例の琵琶湖調査。フィールドも顕微鏡も分子もバイオインフォもできて、色んな手段を駆使する微生物生態学は本当に面白い。もともと学部生の頃にそういうモチベーションでこの分野を選んだけど、今でもそう思う。

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今回は冷たい雨、そこそこの荒れ模様。

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気温は12℃で表面水温は17℃程、水のほうが暖かく感じた。Aulacoseiraなど、珪藻が優占。この植プラは細長いので、なんと肉眼でも確認できます。