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yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

国際学会@スウェーデン

スウェーデンのウプサラで行われている国際学会(SAME 2014)に参加してます。一年で一番いい時期に来ていて、町並みと気候を楽しんでます。

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自分の論文が意外に読んでもらえていたり、やろうとしていたことがすでにやられていたり・・・で、やはり世界の研究者が今やっていることを生で知れるというのは、本当に貴重な経験でとてもモチベーション上がる。あとは「水域の微生物生態学」というかなり狭い分野に特化した学会なので、水域でよく話題になる浮遊細菌系統(SAR11, Roseobacter, LD12, AcI, Polynucleobacter, Limnohabitansなど)が共通言語として飛び交っているところなど「この分野の研究をしている世界中の人間がここに集まっているのだ」と思わせてくれるところが国内学会には無い楽しさだと感じる。

 

色んな研究発表を見ていて感じたのは、次世代シーケンサーを使わない仕事がほとんど登場しないということ。難培養微生物のゲノムを読んで遺伝子から生態を明らかにするような研究が普通に行われるようになってきていて、バイオインフォマティックスや遺伝子・代謝系に関する知識もないとついていけないような発表が多かった。

ただその分研究が大規模化していて、予算と体制が揃っていないと十分な研究ができなくなってきているということも感じた。そして、予算をとるために、どうしても実用的な方向を向かざるを得なくて、生態学的に面白い研究をやっていたと思っていたチームが、抗生物質耐性や環境汚染への生物応答を評価する研究をせざるを得なくなってしまっている、というような例も良くみかけた(こういう研究が悪いというわけではなく、この人たちはもっと基礎的で先進的なことをやったほうがいいのでは、と感じたということです)。そういう研究ってどうしても、「違う環境でやってみたらやっぱり違いがありました」「汚染によって細菌叢が変化してました」みたいな、当たり前の結論に落ち着きがちで、生態学的な問題意識から出発した研究からするとどうしても「ふーん」という感想になってしまいがちだと思う。

 

ただ、こういう状況があるからこそ「基礎的な研究テーマで予算をとってくる」ということに成功すれば、それだけでかなり面白い研究ができる世の中になっているなぁ、とも感じた。つまり、研究の進展は、アイデアではなくて、予算に制限されてくるのではないかということだ。

今の自分みたいな、「お金もないし、チームでもないけど、自由度は高い」という状況の人間にとっては、欧米の大規模チームが手を出せないような基礎的で地道なテーマに手を出せるということは、ある意味チャンスなのかもな、と思った次第。学振の自由度をしっかり活用したい。

というわけで、残り2日楽しんできます。