yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

試行錯誤とこだわり

 会社員を辞めて研究に戻ってきて、特に「良かったな」と思える瞬間として

① 試行錯誤にしっかり時間を使える

② アウトプットの質にこだわることに時間を使える

という2つがある。

 アカデミアに比べて、時間(=コスト)の使い方によりシビアなビジネスの世界では、基本的に物事は、その場で考えたこと、その場で起こったこと、その場で作ったものでどんどん進めるものであって、試行錯誤やこだわりに使える時間は、努力して作り出さないと得られない、本当に贅沢な時間になっている。僕も、会社員時代は「もっと色々試してから前に進みたい」「もっと資料の細部にまでこだわりたい」とは思っていても「費用対効果考えるとさっさと他の仕事やるべきだよなぁ」という現実を受け入れなければならない場面が多々あって、悔しい思いを味わっていた。そしてそういう思いをするたびに、「自分みたいなこだわりの強い人間は、会社員よりも研究者のほうが向いているんだろうなぁ」という考えを強く持つようになっていった。

もちろんコスト意識はとても大切だ。アカデミアの中の人たちには「自分の時間=一番提供しやすい無償のリソース」という考えの人も多くて、もっと「時間=コスト」であるということや、時間の無駄遣いが生み出す機会損失について意識しても良いのでは、と感じることもある。だけど、その「コスト意識」を徹底して得られるのが、80点の成果を効率的に量産する窮屈な世界だとしたら、それはやっぱりアカデミアの目指すべき姿ではないと思う。

今は、研究もどんどん効率化が求められるようになってきている。だけど、80点の成果を100点近くにまで高めようとすると、どうしても試行錯誤したり、こだわったりすることに時間を割く必要が出てくる。コスト意識を高めながら、こういった時間の「遊び」ができる余裕を残しておくことが、質の高い研究を続けていくためにこれから必要なことなんじゃないか。

そして何より大事なことは、そうやって試行錯誤したりこだわったりしている時間は「単純に楽しい」ってことだ。

というわけで、思う存分、試行錯誤とこだわる時間を堪能しているこの頃です!

(↓新手法の開発に向けてフィルター上の細菌をイジめまくって色々試しているところです)

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