yokaのblog

琵琶湖で微生物の研究してます

NGS現場の会 2日目

今日は昨日以上に近い分野の研究発表が多く、有意義な1日だった。学会で他の研究者と話すことのメリットって、大きく3つあると思う。

①自分の想像の上限が引き上げられる

②研究の問題設定の明確化・精緻化ができる

③知見を交換し、コラボ研究の可能性を模索できる

 ①については「人間は想像できる以上に成長することはできない」という原理に基づいている。学会に行くと、色々とすごい研究をしている人や、自分よりも若いのにバリバリ業績をあげている人がたくさんいて、自分が限界だと思っていたところよりももさらに上の世界が存在することを目の当たりにできる。そういうのを見ると「自分もギアをもう一段上げることができるかも」という心地になって、さらに生産性を高める動機になる。もちろん、最初から最高ギアで走れればいいんだけど、人間、見たことが無いものはなかなか想像できない。そして想像できないところには、絶対に到達できない。だから、学会でできるだけ「こいつやべぇ」という人をいっぱい見ておくことは、すごく刺激になる重要なことだと思う。

②については、「良い研究になるかどうかは、良い問いを立てられるかどうかで決まる」という考えに基づいている(※)。学会で色んな人の研究を見ていると「みんな同じ問題にぶつかっているな」とか、逆に「この問題って頑張るところじゃなくね?」みたいところとかが見えてくる。そうすると、自分がこだわっていたものが、「あんまり頑張らなくていい、大した問題じゃない」のか「みんなも困っている、こだわるべき本当の問題」なのかが見えてくる。学会は、いろんな研究をサラの目で一気に見ることができるので、改めて自分の研究の「問い」の精度を高める絶好の機会だ。

とくに今回の発表はNGS関連なこともあり、手法ドリブンな研究も多く、ともすれば、NGSや分析が手段でなく目的になっているようなものもあったように感じられた。個人的には、野外の生物を対象に研究をしている人たちのほうが、ちゃんとした問題設定のうえで、NGSを「手段」として使えているような印象を持った。ただそれは、野外の人たちが、屋内の人たちが苦労して成熟させてきた手法を応用しているだけということもあるので、ある意味当たり前ではあると思う。

③については、まぁその通りで、考え方とかは以前の研究での仲間の作り方に書いた通りなんだけど、改めて実践してみて、やっぱり問題意識を共有できる人って希少な存在だな、と感じた。自分の研究は面白いと思っているけど、その魅力を限られた相手の時間の中で伝えきって、話を先に進めるのは本当に難しい。まずはやっぱり、こっちから出すアウトプットをしっかりと形にして見せることを頑張りたい。

 

※このへんの考えについては、以下の本にまとめられていて面白いです

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」